目次
この記事ではハッカーの定義と、さまざまなハッカーの種類、ハッキングの主要な手口とその方法を紹介します。
一般的に認知されているハッカーが、必ずしも本来の意味と同じであるとは限りません。
正しく理解できるように、本来のハッカーの意味や、ハッカーとクラッカーの違いについて解説します。
ハッカーは、コンピュータのハッキングに関連した言葉で、もとはパソコンやネットワークに精通した人を指していました。
現代ではハッカーは、高度なパソコンやネットワークの知識を使って、デジタル端末やソフトウェア/アプリのセキュリティの抜け穴を悪用する人たちとして捉えられることが多く、ハッカーに対して悪いイメージが一人歩きしがちです。
しかし、私たちの多くが知っているハッカーの動機や目的はほんの一部にしか過ぎません。「ハッカー」=「悪人」という先入観は捨てて、さまざまな種類のハッカーが存在することを理解しましょう。
上記で述べたように、ハッカーにはさまざまな種類があるため、一概にハッカーは悪い行いをする人たちとは言えません。
ハッカーとクラッカーの違いとして、ハッカーの動機や目的は善悪両方が含まれるのに対し、クラッカーは主にパソコンやネットワークに不正に侵入して、プログラムの破壊や情報の盗用などの悪意を持ったハッキングをする人たちのことを指します。
しかし、ハッカーとクラッカーで違いがあるのにも関わらず、現代では「クラッカー」の意味で「ハッカー」という言葉が使われることもあり、厳密に使い分けられていないので、困惑してしまうかもしれません。
ハッカーには多くの種類があり、それぞれハッキングのモチベーションや目的、ハッキングのやり方が異なります。ハッカーになるには、共通してパソコンやネットワークに精通し、プログラミング技術を習熟することが絶対不可欠です。
ホワイトハットハッカーは、一般的に認められている、または合法的な目的のためにハッキングの知識を利用するハッカーのこと。
ハッカーと聞くと、ひとくくりに悪い人たちと考える人も少なくないでしょう。しかし、ホワイトハッカーは悪質なハッカーとは異なり、知識や技術を善良な目的にのみ活かします。
彼らは、システムに侵入してセキュリティ上の欠陥を評価し、改善の可能性を提案するコンピュータセキュリティの専門家です。組織や企業と協力してセキュリティを改善したり、警察のサイバー捜査の協力依頼を受けて犯罪捜査に貢献したりして、サイバー攻撃やハッキングを未然に防ぎます。
ホワイトハッカーになるには専用の学歴や資格は必要ないため、情報系の学校で勉強したり、ハッキングの入門言語を独学で学んだりして、知識を深めます。
ブルーハットハッカーは、ソフトウェア会社と契約して、発売前にソフトウェアのセキュリティ上の脆弱性を探す人たちを指します。彼らはバグテストをしてソフトウェアの弱点を見つけ、開発者が修正できるようにします。
ホワイトハットハッカーとの違いは、ホワイトハットハッカーは企業や組織などに採用されるのに対し、ブルーハットハッカーは企業の外部にいるという点です。しかし、ホワイトハットのサブグループとして扱われることもあります。
ブラックハットハッカーは、様々な違法行為、時には犯罪行為のために、ハッキングの知識や技術を利用する人たちです。
ブラックハッカーが遂行する悪質な行為は、以下のようなものがあります。
システムに直接ハッキングしようと試みることとは別に、ブラックハットハッカーは、目的を達成するためにソーシャルエンジニアリングの手段を使用することもあります。この場合、ターゲットに悪意のあるリンクをクリックさせたり、怪しげなアプリをダウンロードさせたりして、情報を入手します。
スクリプトキディは、他人が開発したスクリプトを使って、デジタル上で不正を働くハッカーのことです。
ハッカーは通常、既製のツールを使わずにハッキングをしたり、自分でスクリプトを開発したりすることができるはずなので、他のハッカーと比べるとハッキングスキルが低い可能性が高いです。
とはいえ、スクリプトキディは本物のハッキングツールを使用しているので、今でもある程度のダメージを与えることができます。
グレーハットハッカーは、ブラックハットとホワイトハットの間のグレーゾーンで活動している人たちのことを指します。
彼らは通常、セキュリティシステムの体系的な開発のためではなく、より実用的または利己的な目的のためにハッキングを行います。グレーハットハッカーは、非倫理的かつ違法な活動をすることが多いですが、ブラックハットハッカーが行うような犯罪行為には関与しません。
ハックティビスト(またはレッドハットハッカー)は、政治的、イデオロギー的、社会的、宗教的な主張や抗議をするためにハッキングを行う人たちのことです。
彼らは、情報の自由を提唱したり声明を出したりするなどの様々な理由で、機密情報を公開することもあります。
具体的なクラッキングの手法には一体どのようなものがあるのでしょうか。主要な手口とその被害についてまとめました。
ウェブサイトの改ざんとは、ウェブサイトのコンテンツやシステムを運営者の意図しない状態に変更する行為のこと。コンテンツの一部、あるいはウェブサイト全体を変える不正な行為です。
最近のウェブサイト改ざんは、主に悪意のあるハッカーがターゲットにマルウェアを配布するために実施することがほとんどですが、以前はハクティビストが自らの考えを主張するためにサイトを改ざんすることもありました。
近年特に多いケースは、ウェブサイトの見た目は全く変えずに、悪意のあるスクリプトを埋め込む行為です。脆弱性のあるデバイスで、改ざんされたウェブサイトにアクセスしてしまうと、別のサイトに飛ばされたり、マルウェアに感染したりする可能性が大いにあるので、セキュリティ対策を万全にすることを心がけましょう。
ウェブページを表示させるためのサーバーを直接狙って停止させる悪質なハッキングも存在します。
ウェブサーバーへの攻撃は、IDとパスワードを不正に入手してサーバーに侵入する手法と、外部から大量のアクセスリクエストを送りつけてサーバーをダウンさせる方法があります。
サーバーが停止すると、ウェブサイトの表示ができないだけでなく、業務用のシステムが使えなくなったり、お金のやり取りがあるサイトでは売り上げが無くなったりと、大損害を被るケースもあります。
海外では、2015年にウクライナにて、悪意のあるハッカーが送りつけたマルウェアを介して各電力会社のサーバーが停止し、約6時間にわたり西部を停電させたという事例もあります。サーバー攻撃は個人レベルの小さいものから、このように国を巻き込んだ大規模なものまでさまざまです。
DDoS攻撃とは、DoS攻撃を発展させた手口のことで、不正に乗っ取った複数のコンピュータのIPを活用して、特定のサイトに大量のデータを送りつけてサーバーを応答不能な状態にさせるサイバー攻撃のことです。
ウェブサイトにアクセスできなくなるため、金銭を取り扱うサイトなどは大きな損失を出す可能性があります。また、悪意のあるハッカーがDDoS攻撃を止めるために金銭を要求するケースもあります。
DoS攻撃は古くから使われてきた手口ですが、最近のDDoS攻撃ではIoT機器をターゲットにした新手の手法が出てきています。
攻撃が行われる対象は、ウェブページやサーバー以外に、顧客情報やアカウント情報などの重要な情報が保存されているデータベースも含まれます。
過去に、悪意のあるハッカーによって学校のサーバーがハッキングされ、教職員や生徒などの氏名やID、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が盗まれたというケースがありました。この事例では、ハッカーが教師にフィッシングメールを送信し、教師が偽のサイトに入力した情報をもとに学校の無線LANに侵入して、情報を巧みに盗み出しています。
偽のメールやサイトを使って個人情報を盗み出す手口は年々巧妙化していて、個人が被害にあうケースも増加しているので十分注意しましょう。
VPNとは、仮想プライベートネットワークとも呼ばれる技術のことで、2つの拠点間に仮想的にサーバーを構築することで、公共の回線を通らず直接拠点同士を繋げることができます。
VPNを使えばインターネット上でやり取りするデータを暗号化してくれるので、公共のネットワークに接続していても、安全にブラウジングや個人情報へアクセスができるようになります。
さらに、位置情報や、IPアドレス、オンライン上のアクティビティも隠されるので、悪質なハッカーやスパイなどの第三者からの追跡を阻止します。
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